《全体の奉仕者》 Servant of the Whole

year:2022
form:Documentary Acting
location:ANB Tokyo
Photo:Ryu Ika
Support:Hayato Itakura (Scenography), Reo Anzai (Sound production)

森友学園をめぐる公文書改ざん事件に関連して自ら命を絶った赤木俊夫氏を、配偶者への取材をもとに作家が会期中、展示の始まりから終わりまで、鑑賞者がいなくとも繰り返し演じる作品。

パフォーマンスは、改ざんが起こる以前のある朝の一時間を再構成したものであり、「アクリプト」(演技のための記譜)として組み立てられている。その当時の生活の所作を、記憶から呼び起こすように。アーティストは会期の始まりから終わりまで、観客がいない時間も含めてこのパフォーマンスを反復し続ける。インタビューノート、アクリプト、タイムラインといった関連資料がパフォーマンスと並んで展示され、対象が徐々にアーティストの身体に書き込まれていく過程が可視化される。

「たとえ一度も会ったことがなくとも、その人の中に自分がいる。自分の中にもその人がいる。/『のような一面がある』といった話ではなく、生きゆく中で出会う人々を、“ひとつの人格”として内包する過程で、その相手が出会ってきた人も取り込むこととなる。〔…〕このドキュメンタリーアクティングは、実在する人物を演じることを通して、対象の人物の中にしか存在していない”私”に出会っていく作業なのだ」(ハンドアウトより)